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 全国の行政経営に関する話題や情報、ニュースを日々発信するページです。今後の行政経営に、そして、行政改革に、少しでもお役に立てれば幸いです。
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永田良一著「“幸福の国”ブータンに学ぶ 幸せを育む生き方」2011.11 同文館出版
  日本人の主観的な生活の満足度は世界に比較して低いという。最近は、幸福論が話題にのぼる。内閣府も幸福度指標の整備に取り組んでいるが、幸福度指標は、政策の手段である。どうすれば、幸せを感じられるのか。まず、根本から「しあわせとは何か」を考えるべきであろう。

 最近、「“幸福の国”ブータンに学ぶ 幸せを育む生き方」という本を手にした。著者は、はじめてのブータン王国訪問で「なつかしい」が胸に去来したという。 日本は、他との相対的な比較にどっぷりつかりすぎて、無意識のうちに劣勢を感じている。ブータンの宗教観や考え方、暮らし方から幸せを育む生き方を分析する。怒る、恨むというようなネガティブワードを封印し、手を差し伸べる、笑顔で接する、祝福するといった工夫で、行動も軽く、相手も心地よくなる。自然に身近な幸福を感じられる。

 「無理をせず、背伸びをせず、身の丈に合った成長と繁栄を手に入れる。誰と争うこともなく、いがみあうこともなく……これが本当の“幸せ”ではないか」。ブータンでの経験から得た著者の結論である。 “国民総幸福量”の提唱や国王夫妻の来日で関心を持ったブータンだが、訪ねてみたい国のひとつに加えたくなった一冊である。
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生まれが後年次ほど支払い超過が進む。無視できない世代間の不均衡
 税と社会保障の一体改革素案が公表されたが、巷では、「若い世代は、支払いに見合うサービスは受けられないのではないか」という声も聞かれる。世代間の格差は一体どの程度あるのだろうか。

 内閣府経済社会総合研究所のESRI Discussion Paper Series No.281「社会保障を通じた世代別の受益と負担」では、年金、医療、介護の3制度のモデルから推計し、後年次になるほど、支払い超過の傾向にあることを明らかにしている。

 受益と負担の関係は、世代間によって大きく異なっている。レポートでは、生涯純受給率を生年別にみると、1950年生れ1.0%、1960年生れ▲5.3%、1980年生れ▲9.8%、2000年生れ▲12.4%と具体的な支払い超過を指摘する。

 試算は、賃金上昇率や運用利回りなどによって結果が異なってく​る。本研究で、例えば、2019年の賃金上昇2.5%、運用利回​り4.0%を前提にしているが、楽観的な数値かもしれない。いず​れにしても、現行制度で社会保障を維持できないことは誰の目にも​明らかである。無視できない世代間の不均衡を目の前に、どのよう​な制度にしていくのか。政府任せでは解決できない大問題である。

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震災復興に活用されるソーシャル・ビジネス事例を発信ー経産省
  東日本大震災の復興に、ソーシャル・ビジネス(以下「SB」という。)の推進を図ろうと、経産省が、「ソーシャルビジネス・ケースブック(震災復興版)」を作成した。

被災地の復興には、とりわけ既存産業に加えて新たな地域産業の構築や雇用の創出が求められている。避難生活や仮設住宅では、多くの社会的課題が発生し、ビジネス手法で解決を目指すSBの果たすべき役割が大きい。このケースブックは、買い物支援、医療・介護、高齢者対策などの生活支援ニーズの解決、企業の復興に不可欠な新たな資金調達の仕組みの創出、新たなビジネスモデルの被災地から全国への波及といった3つのカテゴリーで、27事例を紹介している。

 生活に身近なバイオトイレから地域資源を活かした「地域ツーリズム」、農業六次産業化、仮設住宅入居者への健康づくり、尐額ファンドによる被災地企業支援、インターシップを通じた被災企業支援、軽トラ市のネットワーク化など多様な事例をコンパクトにまとめられ、小回りの利く、市民活動や民間ならではの迅速で柔軟かつ機動的な取り組みが満載だ。

 こうした成功事例の蓄積は、被災地ばかりではなく、少子高齢化や地球温暖化などの社会的課題を受けて全国各地に広がっている。内発型の創造的産業として「SB」定着への期待は大きい。

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施設にも賢く縮小する都市戦略が必要な時代にー尼崎市の公共施設最適化の取り組みから
  高度成長期に建設された地方自治体の施設の多数が更新時期を次々に迎える。尼崎市は、限られた財源のなかで、施設を戦略的な観点から保有・処分・活用・ 維持し、コストと便益の最適化を図るための方針、計画づくりを進めている。

 「公共施設の最適化に向けた取組について」と題した素案策定の考え方には、耐震性、高齢化への対応のほか、時代のニーズにあった機能向上を掲げている。高齢化の進行等で相談対応などはより専門性を高く、また、地域コミュニティの充実強化、さらに行政の役割がコーディネーター的な役割へと変化していることを踏まえるというものだ。

 重視する点は、ファシリティマネジメントはもちろんのこと、「総量の圧縮による維持管理コストの抑制と建替え等の財源の確保」「施設の機能・利便性の向上施設の長寿命化とライフサイクルコストの平準化・削減」「行政サービス等の機能の再構築取組の方向性」をあげる。

 具体的な取り組みでは、地域振興センターの地区会館との複合化や地域コミュニティの拠点機能の強化と耐震化、行政サービスの窓口機能は、より効率的な窓口配置に向けた集約化と相談機能の充実を位置づけている。複合化・集約化で財源を確保し、施設の建替え、機能・利便性の向上を図り、施設の長寿命化にも力点を置くとしている。

  同市の施設は、他市に比較して人口比でも、また市域面積比でも手厚い。今後の財政負担に重くのしかかる。現有の施設をすべて更新すれば費用は5000億円を超えるという。今後10年以内に限っても、毎年162億円程度の建替え費用がかかり、維持管理・運営費用も毎年、約224億円に達する。従前の学校や公営住宅の取り組みに加え、多くの市民利用施設の廃止や見直しなどが次々に控えている。都市が縮小する時代がやってきた。施設面でも、どのように賢く縮小していくのか。都市戦略が求められている時代である。

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参考文献紹介ーソーシャル・キャピタル入門 - 孤立から絆へ (中公新書)
  私が初めて、「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」とい​う言葉を知ったのは、ロバート・パットナム「哲学する民主主義―​伝統と改革の市民的構造」2001.3NTT出版を読んだときだ​。そのときは、大学院のゼミで書評を書いた。

 その後、縁があってコミュニティ政策を仕事で担当し、一層関心​が強くなった。昨年の3.11の大震災以降、「絆(きずな)」と​いう言葉を見かけるが、ソーシャル・キャピタルを強く意識するよ​うになったのは私だけではないだろう。この著作「ソーシャル・キャピタル入門 - 孤立から絆へ (中公新書)は、タイトルどおりの最適な入門書である。

 定義は様々だが、著者は、人々の間の協調的な行動を促す「信頼​」「互酬性の規範」「ネットワーク(絆)」とする。東日本大震災​はあまりにも大きな惨事だったが、唯一の救いは、日本中がいたわりと優しさに包まれたこと。これがまさにソーシャル​・キャピタルである。見ず知らずの人への「信頼」、「お互い様だ​から」と譲り合う互酬性、人々の間の絆が実証された。

 井伏鱒二の小説「掛け持ち」、ロバート・パットナムの「孤独な​ボウリング」、ジェイソン・ジェイコブズの「アメリカ大都市の生​死」など、様々な研究者、識者の見解や分かりやすい事例から解き​明かしていく。 社会関係資本の潜在力は、実に幅広い。経済活動、地域社会の安定​、福祉・健康、教育、政府の効率など。カンパニー制が社会関係資​本を壊す結果になった事例、ご近所の底力で取り上げられた杉並区​の和泉地区の事例、須坂市の保健補導員の事例など、具体例を提示​して解説する。

  現代は社会関係資本を壊す変化が潜んでいる。農村から都市へ、経​済発展や少子高齢化もその要因に。格差拡大はもっとも大きな原因​だ。社会の根幹である信頼関係を壊し、さらに格差を拡大する。「​絆」を標榜するなら、格差を是正すること。教育、医療に関しては​、政府の責任による不平等解消が必要だ。

 最後に、日本の現状を放置すれば、ソーシャル・キャピタルが蝕ま​れていくことは必定。今こそ、「きずな」を守るために立ち上がろ​うと筆者は呼びかけている。全国的な地域コミュニティ再生の取り組みは、まさにソーシャル・​キャピタルの再生であり、信頼を広げる地域のまちづくりは、社会​のあらゆる困難に立ち向かう基礎となることに確信が持てた著作で​もあった。

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PFI導入事業の大半が地方ー総務省が詳細な導入調査
 2011年12月に公表された総務省の「地方公共団体におけるPFI実施状況調査報告書」によれば、2010年12月31日現在、PFI事業の状況は、国の事業が62件、地方公共団体の事業は278件、その他公共法人の事業は35件となり、合計375件の事業について実施方針が策定・公表され、地方公共団体のPFI事業が大半を占めている。 

 PFI事業を企画・実施した地方公共団体では、アンケート調査に回答のあった375事業中、市区町村が77.6%・291事業を占める。また、現在進行中が285件・76.0%で、中止は19.2%、終了は4.8%となっている。

 PFI導入効果では、「財政資金の効率的利用と官民の適切なパートナーシップの形成」が57.6%を占める。次に、「住民に対する安価で質の高いサービスを提供」が38.0%となっている。

 一方、問題点では、「準備に係る事務量が多い」(87.9%)、「施設整備までに時間がかかる」(60.0%)、「民間の破綻リスクが心配」(47.0%)が指摘されている。

 PFIは、公共がサービスを直接提供するよりも、民間に委ねた方が効率的、すなわち同一水準のサービスをより安く同一価格でより上質のサービスが提供できるとされてきた。しかし、「VFMが思ったより高くならない」(27.9%)、「施設整備までに費用がかかる」(23.7%)という結果もあり、少数であるが、「地元企業が参画しづらい」、「リスク分担が難しい」、「行政側の意図が伝わりにくい」、「民間の事務処理やサービスのレベルが思ったほど高くない」という回答も見られた。PFIの評価については、長短相半ばする結果と言えるかもしれない。

 このほか、調査事項は、用途、構造等、発注内容、事業方式、形態、期間、大規模修繕の有無、実施までの期間、事業者選定方法、競争性確保の工夫、契約金額、自主事業、モニタリングなど幅広く、今後の検討に参考になろう。

 なお、2011年6月の民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)」の一部改正で、PFI施設と民間収益施設とを併せて整備する場合に、行政財産の貸付けが可能となり、対象が船舶、航空機、人工衛星などにも広がった。また、これまで公的主体が実施方針案を検討・策定したが、民間事業者が実施方針案を 検討・策定できる提案制度の導入のほか、公共施設等運営権の導入などが盛り込まれている。

 NPM改革が一世を風靡したときに比して、PFIも目立たない存在になっているようだが、2010年、「新成長戦略〜「元気な日本」復活のシナリオ〜」に、PFI、PPPの積極的な活用が盛り込まれ、PFI事業規模について2020年までに少なくとも約10兆円以上の拡大を目指すととされている。国、地方の財政状況は一層厳しさを増している。NPM改革がワーキングプアを生んだという批判もある中、その代表的な手法の一つであるPFI、PPPの試行錯誤はまだまだ続く。

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■参考文献紹介ージェイムズ・​S・フィシュキン「人々の声が響きあうとき」
  熟議型意識調査(討論型世論調査)、熟議カケアイなど、熟議と​いう言葉が散見される。この本(ジェイムズ・​S・フィシュキン「人々の声が響きあうとき」2011年4月早川​書房)は、「討論型世論調査」=DPを開​発した著者が、その理論と実践を紹介した著作だ。

 序文にある「国民の声を聴く世論調査は何千とある。が、それはた​いてい、国民が深く物事を考えていなかったり、たいして関心を寄​せていなかったりする場合の声であることが多い」。まさに核心を​ついている。

 社会において、市民に情報を積極的に求める気にさせることは困​難で、政権は「意見」と言えるほどの意見は持っていない。政策や​政治問題を論じることはあっても、人はたいてい自分と似たような​人々と論じ合うに過ぎない。世論の問題点は、操作されやすいとい​うことにある。

 この問題意識から、熟議に着目する。無作為抽出による委員選定​は、古代アテネの慣習にあった。くじ引きによって選ばれた何百人​もの市民が定期的に審議し、重要な公的事項の決定を行っていたの​だ。代表という概念に必要なことは、「人民をそのまま写しだす」​こととする。

 市民参画には、選び方で自薦や非無作為抽出、無作為抽出、全市​民など、方法でアンケート調査、世論調査、ディスカッショングル​ープ、市民陪審、レファレンダム、討論型世論調査など様々。それ​ぞれの特徴を分析する。

 例えば、世論調査は、多くの公的な問題に対して態度なしであっ​たり、幻の意見(思いつき)が寄せられる傾向があると指摘する。​そのうえで、討論型世論調査は情報に基づく、バランスのとれた議​論が期待でき、社会を代表するものと主張する。熟議とは、市民一​人ひとりが議論において対立する意見を真剣に吟味することである​。

 ポイントは、争点に関係すると思いわれる十分で正確な情報が与​えられているか、ある側、またはある見地から出された意見を、反​対側がどれほど考慮するか、世間の主要な立場が議論の中で参加者​にどれほど表明されるか、参加者がどれほど真摯に異なる意見を吟​味するか、参加者のすべての意見が、どの程度、だれが発言者かと​いうことでなくその論点自体により検討されているかなど。

 政治的平等は、すべての有権者が投票し、すべての票が同等の重​みをもつために、すべての投票者に決定的な一票を投じる同等の可​能性があること。すべての有権者の中からくじひきより集団が選出​され、その集団が投票し、すべての票に同等の思いが与えられると​する。政治参加は、政府や政策の選択の形成、採択、実施に向けて​大衆が直接的、間接的に行動を起こすことである。

 熟議、政治的平等、政治参加を同時に実現することが重要だ。社会​保障改革、TPPなどは、まさに熟議が求められている。仕事で計​画細胞を応用した意見集約や評価の試みをしてきたが、真摯な議論​が展開されることをみてきた。この本は、「討論型世論調査」=D​Pの有効性を理論の面から再認識させてくれた一冊である。 

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杜撰な体制、複合視点の欠如を指摘。「想定外への対応」を教訓に提示ー原発事故に中間報告
  2011年5月に設置された「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会(委員長:畑村洋太郎・東京大学名誉教授・工学院大学教授)」が、このほど中間報告を公表している。  同委員会は、東京電力福島第一・第二原子力発電所における事故の原因及び事故による被害の原因を究明するための調査・検証を行い、被害の拡大防止及び同種事故の再発防止等に関する政策提言を行うことを目的としている。

 委員会では、現地視察、福島第一原発の立地自治体の首長や関係者のヒアリング(456 名)等を実施。中間報告では、「政府諸機関の対応」「原発における事故後の対応」 「被害拡大の防止対策」「事前の津波・シビアアクシデント対策」「同対策の不十分さの要因」「原子力安全規制機関の在り方」の6点から分析を行っている。

 まず、現地対策本部では、その拠点となるべきオフサイトセンターが交通寸断で要員参集に支障があり、通信インフラの麻痺、停電、食糧・水・燃料の不足等のほか、放射性物質を遮断する空気浄化フィルターの不備など機能不全となったことを指摘する。

 次に、現地対策本部への権限委任の不十分さ、官邸地下の危機管理センターと官邸5 階(首相執務室)の責任体制の分散やコミュニケーション不足により、情報収集が輻輳し、結果として情報共有が一元化されず、正確で最新の情報の入手や迅速かつ的確な意思決定に支障をきたしている。

 また、事故後の対応では、1 号機の非常用復水器(IC)の機能不全やこれに気付かなかったことが、炉心冷却の遅れを生んだ大きな要因となったこと、3 号機代替注水に関する不手際なども指摘している。  

 被害の拡大防止対策では、迅速なモニタリングデータの公表の姿勢を欠いたこと、せっかくの緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)も原災本部及び保安院がその情報を広報するという発想を有せず、所管する文部科学省も、自ら又は原災本部等を介してSPEEDI 情報を広報するという発想がなかったことにより、住民避難の意思決定と現場の混乱を生んだと問題視している。

 このほか、放射性物質がどのように放出・拡散するかや放射線被ばくによる健康被害の基本的な知識、原発事故の特異さに沿った避難訓練、大規模な避難移動の対策の必要性についても提言している。

 事前の津波・シビアアクシデント対策では、津波想定の問題提起に具体的な措置を怠ったこと、また、設計上の想定を大きく上回る津波では安全機能の広範な喪失が一時に生じ、直ちにシビアアクシデントに至る可能性が高いlことが認識されていなかったこと、全電源喪失対応策や消防車による注水・海水注入策の未策定、緊急通信手段の機能不全、緊急時における機材操作要員手配が考慮されていないなど、多くの不手際を指摘している。

 以上から、事故発生とその後の対応の問題の多くは、津波によるシビアアクシデント対策、複合災害という視点、全体像を見る視点、それぞれの欠如が要因と分析している。

  「終わりに」には、「何かを計画、立案、実行するとき、想定なしにこれらを行うことはできない。しかし、同時に、想定以外のことがあり得ることを認識すべきである。今回の事故は、我々に対して、「想定外」の事柄にどのように対応すべきかについて重要な教訓を示している。」と記載している。

 原子力の危険性を考えれば、想定外など決して許されない。まして、過去の津波の分析結果を黙殺し、想定内の対策を怠った原子力行政の責任の重大さは非常に大きい。委員会では、今後も調査・検証を進め、平成24 年夏頃に最終報告を取りまとめて公表する予定だ。取り返しのつかない原子力災害に、責任の所在の明確化が強く望まれる。それが、失敗を繰り返さないことにもつながるであろう。

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長野市の都市内分権、地区の実情にあった自治を模索
 市内の地区に分権化する動きが全国で広がっている。長野市は、地区の住民ニーズや特性に配意し、その実情を十分尊重した施策を展開するため、都市内分権を進めている。

 地区の受け皿としては「住民自治協議会」を想定し、住民参画の下で地区を代表する組織などで構成し、住民意見の集約や市へ提案、地区課題を解決するまちづくり活動を担う組織と位置づけている。平成18年を「都市内分権元年」と位置づけ、平成21年度までに32地区すべてに協議会が設置されている。

 平成22年度、本格的な住民自治協議会の活動がスタートし、活動財源として、各種団体(区長会連合 会、環境美化連合会など9団体)への補助金等をまとめた一括交付金・「地域いきいき運営交付金」制度が創設され、交付されている。平成22 年度は団体ごとに平均約807万円が交付され、協議会が使途を決定し、自主的的かつ自立的な住民の福祉の増進に資する取組に使われている。

 協議会活動は実に多様で、各種スポーツ大会、一人暮らしの高齢者の見守り、配食サービス、福祉自動車による移送サービス、ボランティア養成、料理教室、子育て支援、防犯パトルール、防災訓練、不法投棄防止、環境美化、自然保護、文化祭、各種セミナー、交通対策、コミュニティセンター建設の検討など、地区の実情に沿ったまちづくりが活発に実施されている。

 同市の都市内分権では、市役所側として本庁の権限や予算を市民に身近な地域へ分散させ、各地域の実態に即した独自のまちづくりを行うために地域総合事務所を設置する構想も描いているが、現在は、住民自治協議会の成熟状況等を見極め、今後改めて議論するとしている。

 市の実施した住民自治協議会へのアンケートでは、26地区が地区課題解決のために、24地区が役員等の負担を軽減するために、18地区が担い手を確保するために、28地区がより多くの住民参加・理解の促進を図るために、ぞれぞれ特に力を入れたり工夫したりしている。また、地区課題の把握に26地区が住民アンケートを実施しているなど、組織の活性化や住民にニーズの把握に努め、協議会活動が軌道に乗りつつあるように見受けられる。

 活動には、他の事例と同様に「担い手の不足」や「事務局体制」などの課題が指摘されている。協議会の事務局長設置についての要望も地域から寄せられている。市では、「地域いきいき運営交付金」とは別に、住民自治協議会事務局長の雇用に要する 経費として財政支援制度(1地区当たりの補助年額上限は120万円)の創設も検討中だ。

 平成15 年、市職員のプロジェクトチームの検討からスタートした都市内分権に取り組みだが、「行政から住民への丸投げである」とか「都市内分権を推進して支所との関係が希薄になっ た」などの批判もある。都市内分権は、市の支所を中心とする地域行政と地区のまちづくりに向けた住民自治とが協働して住みよい地域づくりを実現していく仕組みである。

 補完性の原理に基づく住民と行政の役割分担をどのように行い、より効果的な協働を進められるかはまだ答えはない。都市の、そして地区の実情に沿って「あるべき住民自治」の姿を描く長野市と地区住民の挑戦はこれからも続く。

参考:長野市 都市内分権審議会 平成22年度 住民自治協議会の活動・決算等に関する総括(ページの一番下の平成23年11月21日資料参照)

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動き出した大阪都構想、27年度実現をめどに
 本日、大阪都構想の実現を図る大阪府市統合本部会議がスタートした。来年9月には、共同提案を目指す急ピッチの検討だ。
 本日は、第一回の会議で、「大阪にふさわしい大都市制度を実現すること」を基本目標に、
基本戦略として、(1) 大都市自治制度に関する法改正を国に求める(地方自治法等、憲法上の地域特別法の制定ではなく、多様な大都市制度の構築に向け一般法の改正を目指す)、(2) 国への具体的な制度提案(府市共同案)を府市(議会を含む)で確定し、法改正を待って住民投票を実施のうえ施行することの2点を掲げる。

 また、当面の獲得目標として、確実に法改正の道筋をつけるとともに、法改正後、速やかに新たな大都市制度を実施できるよう、国への具体的な制度提案を府市でとりまとめ、議会を含めたコンセンサスを得ること、水道など現行法でも実施可能な広域機能の一元化についても、府市統合本部会議で議論し、進めていくこととしている。
 制度改正への壁は大きいが、橋下市長のリーダーシップのもと、今後、どのように展開していくのか、全国の注目が集まる。 
 

 http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000151065.html
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